鉄風(1)
作者 |
太田モアレ
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ジャンル |
コミック |
JAN/ISBN |
9784063106374 |
出版社
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講談社
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レーベル
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アフタヌーンKC
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発売日 | 2010-03-05 |
価格
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607円(本体552円)
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カテゴリ |
青年
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ポイント3%(18ポイント)
カート確認
内容紹介
物心ついた頃から持って生まれた「才能」一つでこの世を渡り、他人の「努力」をその身一つで踏みにじって生きてきた女子校生・石堂夏央。入部したばかりのバレー部のレギュラーの座も苦もなく掴み、「退屈」の言葉が彼女の頭を埋め尽くしたある日、夏央は新入部員勧誘に励む帰国子女の転入生・馬渡ゆず子と出会う。「希望に満ちた瞳」「楽しそうに囀る口」そして「笑顔に満ちた表情」……嬉々として「総合格闘技」を語る彼女の全てがその対極に存在する夏央の”才能”を苛立たせ、夏央は体験入部と称してゆず子とのスパーリングに挑む。全てはゆず子の充実した人生を打ち砕く為。全てはゆず子の自信に満ち溢れた表情を叩き潰す為。全ては自分を埋め尽くした退屈を鎮める為………。
コメント
「good!アフタヌーン」誌で連載中の「総合格闘技」漫画が遂に単行本化。著者の太田モアレ氏は「四季賞」出身で、本作の連載開始とほぼ同時期にアフタヌーン本誌に短編が掲載されたのみ(担当が覚えている限り。四季賞作品2編は除く)の新人作家。それでいて「good!アフタヌーン」誌7号の表紙は飾るわ、初単行本は1・2巻同時発売だわで講談社の力の入れ具合が感じられますが、実際にこれが無茶苦茶面白いのですよ! 主人公・夏央は世の中を斜に構えた典型的な「天才型」のキャラクター。初の格闘技戦でもう一人の「天才」ゆず子に敗れた後に心入れ替えて……なんてお約束展開は一切無し! 自身の退屈を鎮めるべく努力を積み上げた人間を叩き潰す事に悦びを見出す、ダークヒロイン街道を突き進む彼女のキャラクターが素晴らしいったらありゃしない。「陰と陽」「退屈と充実」「デカ女と太眉」……「天才」を共通項とする以外は対極にある夏央とゆず子との対決を根幹に夏央の日常を綴ったストーリーはブレも無く、一気に作品世界にのめり込める事間違い無しの濃い内容は必読です。ストーリーが進むにつれ夏央の心境にも若干の変化が生じ始めますが、安易な展開を想像することを否定させる積み上げられた伏線もまた見事。夏央のキャラクターを”ダーク”と表現はしましたが、実際は彼女の才能が発揮される”実戦”以外は極々普通の女の子と言っても良く、決して”努力”を見下す嫌味なキャラでは無いことだけを付け加えておきたいかな、と。正直、夏央ちゃん可愛いです。そんな訳で、本作品を語り出したら止まらなくなる担当一押しの本格格闘技漫画。オススメです!
コメント:渡邉
3/4UP