片隅乙女ワンスモア(1)

内容紹介

海沿いの街・竜宮町に暮らす女子高生「しじみ」は、お盆も過ぎた夏のある日、彼女が小学5年生の時に浜辺で出逢い、そして、恋をした少年「竜之介」との偶然の再会を果たす。当時、海水浴場で溺れた所を助けてくれた少女「浦島しじみ」に一言礼を告げる為だけに竜宮町へと訪れた竜之介との再会であったが、彼が発した何気ない一言が「しじみ」に自分の“正体”と“想い”を告げる勇気を奪い去ってしまうのであった……。そして迎えた運命の“8月31日”、自分の正体を隠していた事を竜之介に知られ嘆き悲しむ彼女の想いを乗せて、“時間”は廻る。彼女の“願い”が叶うその時まで、何度でも……。

コメント

現在「コミックBIRZ」誌上にて好評連載中!　海辺の街を舞台に幾度も繰り返される夏の日を描いたタイムリープSFラブストーリー作品「片隅乙女ワンスモア」の第1巻が待望の発売です!　著者:伊藤正臣先生が紡ぎ出す繊細なタッチで描かれたキャラクター達がパステル調な色合いを織り成す美しい画面の中で繰り広げる、甘酸っぱい初恋と、切ない恋の終わりと、不思議な土地神様との出逢いと、海に沈む街の命運とが複雑に折り重なった、透明度の極めて高いストーリーと濃密濃厚な設定の妙を是非とも味わって頂きたい作品な訳ですよ!　優秀な姉と比較されて育ったヒロイン・しじみの心に沈んでいたコンプレックスが招いた「嘘」が初恋の男の子であった「竜之介」の心を傷つけてしまった「始まりの世界」を皮切りに、『竜之介に告白されたい』と願う彼女の想いを叶える為に幾重もの時間を巡る「しじみ」の健気な頑張りを応援したくなる前向きなストーリーが兎に角可愛くて可愛くて仕方が無いのです!　「始まりの世界」で「しじみ」の家に古くから伝わる『玉手箱』の封印を彼女が解いてしまったが為に、そこに封じられていた「海に沈む運命にあった街の時間」が動きだしてしまう……。「始まりの世界」で決定づけられた『8月31日の宝箱の開封』を止める為に必要な条件は「開封した者の願いが叶う事」……。街の滅亡を食い止める為にも「始まりの世界」で「竜之介」の前から逃げ出した「しじみ」が巻き戻された世界で彼に告白をされなければ、全てが文字通り水泡に帰してしまう……。そんな、宝箱に時間を封印していた土地神様の力が尽きる迄に『時間が巻き戻った世界』でデジャブとバタフライ効果がもたらす“分岐する未来”に翻弄されながらも、初恋を叶える為に奮戦する「しじみ」の困難が描かれるSF作品としての魅力も内包したドキドキの展開に胸踊る事も間違い無しと断言しちゃうのです!　優秀な姉の影に隠れて「地味」である自分を自覚していた少女の頑張りと、「竜之介」との心が幾ら近づこうとも“告白をされなければThe END”に陥り全てがリセットされる期限付きの恋模様、そして、著者:伊藤正臣先生が描き出すキャラクターの爽やかな魅力と、ヒロイン「しじみ」の繊細な心と繊細なボディラインの可愛さに是非とも溺れて頂きたい、担当個人的に復活の日を待ちわびた著者が持つ唯一無二の世界が素敵に無敵なオススメの単行本です!
コメント:渡邉 6/23UP