兎が二匹(1)
作者 |
山うた
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ジャンル |
コミック |
JAN/ISBN |
9784107718723 |
出版社
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新潮社
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レーベル
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バンチコミックス
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発売日 | 2016-02-09 |
価格
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660円(本体600円)
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カテゴリ |
青年
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ポイント3%(20ポイント)
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内容紹介
不老不死の女性すずと、彼女に寄り添い生きることを望む青年サク。だが想いが深まるほど、二人はすれ違っていく。さみしゅうて死にたくなる愛の物語。
コメント
どえらいショッキングが二つほどつめ込まれた第1話から始まり、ヒロインの記憶を追いかける話に連なる愛と死の物語。「なぜそうなのか」という部分はこの際置いておいて、「そうであったらどうなるか」という部分を綿密に描く手法は昨今わりと主流ではありますが、それをキチンと描くにはしっかりした考察ど微に入り細を穿つ描写力が無くてはいけない。その点本作は非常に良くできていて、不老不死のすずちゃんが何をして、何を想って生きているのかを実に細やかに描いてくれます。
人は楽しいことより辛いことの方をよく覚えているものといいますが、これは危険を察知するための脳の構造的な作用だそうです。そうすると、死なないすずちゃんが「嫌なことばっか思い出す」と言うのはなんとも皮肉。実際、作中で描かれる「苦しみ」の部分はだいぶ容赦がなく、過去がどれほどすずちゃんの心を苛んでいるのかが如実に描かれています。いやー、こりゃだいぶ心にキますね。うつ病の毛がある人は注意したほうがいいかもしれません。どう転んでもハッピーエンドになるわけがない純愛。でも、たまにある沈みたい時にはぜひ手に取りたい一冊です。
コメント:中村
2/8UP