【内容紹介】
自分が上手いために物足りなさを感じ吹奏楽部から浮いている女の子・明津は部活から抜け出して河原で一人トランペットを吹いていた。自分が好きなように、自分の実力を出し切るように気持ちよく吹いてた明津に突如、小学生の男の子が小太鼓で合わせてきた。対抗するように演奏する二人。しかし、明津が合わせるように吹き初めて……「空声」/学校に通う早朝。ある日、羽生田は毎日目の前のシートに座る気になっていた女の子から口パクからズボンのチャックが開いていることを教えられる。さらに男なのに男に痴漢されているところを助けられる始末。羽生田は意を決して声をかけようとしたのだが…「空声 The Girl Opposite」/テスト用紙を盗もうと学校に忍び込んだカップル。深夜に起きた二人だったが、昼にやった水遊びで声が出なくなってしまい…「空声 Night Piece」
【オススメコメント】
光文社の「でんせつの乙女」をオススメしてから12年。久しぶりのオススメとなった「空声」はこがわみさき作品らしい短編が詰まっている楽しい作品集になりました。怒りに震え、涙を流しながら叫び、好きという気持ちを伝える笑顔。「空声」というタイトルという名の通り言葉を口に出していないのですが、繊細な絵柄から表現される喜怒哀楽の激しいキャラクター達が生き生きとし、そして自分の心の声を伝えようとする気持ちがストレートに伝わってくる作品です。
特に「空声」「空声 The Girl Opposite」の2つの短編はこがわみさき作品の中でも群を抜いている短編かと。
ハートフルという名が相応しい作品集になりました。
いやされるわ~